《前回のあらすじ》
因幡で傷ついた兎と出会ったオオナムヂ(オオクニヌシ)は、
騙されるべくして騙された兎に助言をして助けてあげました。
傷が癒えた兎は、オオナムヂにある予言を伝えます。
それは「八上比賣と結婚できるのは
八十神(オオクニヌシの兄)たちではなく、オオナムヂである」
というものでした。
詳しくは是非こちらをご覧ください!
果たして白兎の予言は当たるのでしょうか?
そして、オオクニヌシはこれからどうなるのでしょうか?
今回は、
- オオクニヌシは八上比賣と結婚するのか?
- 八十神に追われるオオクニヌシ
まだまだオオクニヌシの人生のお話をしていきます。
1度目の殺害
オオナムヂが白兎を助けていたその一方で、
白兎を騙した八十神たちは、当初の目的であった八上比賣に次々と求婚をしていきます。
しかし八上比賣は、八十神たちの求婚をことごとく断っていきます。
ついには、八上比賣は…
私はオオナムヂと結婚します
と言い出します。
オオナムヂは八上比賣と結婚することになるのですが、
このことに八十神たちは怒り、嫉妬してしまい、オオナムヂを殺すことを決意します。
そして、オオナムヂを騙して殺す計画を立てます。
八十神たちはオオナムヂを
伯伎国(「伯耆国」のこと。現在の鳥取県西部〜中部辺り)手前の山の麓に呼び出します。
赤い猪がこの山にいるんだ。
俺たちで追い出すから、
お前はここで待ち構えて、そいつを捕まえろ!
と命じました。
八十神たちは、大きな石を焼いて「赤い猪」に見立てて、それを落として転がしました。
言われた通りに待ち構えていたオオナムヂは、
焼かれた石を猪だと思い、捕えようとしますが
結局焼かれて死んでしまいました。
オオナムヂが死んでしまったことを、母サシクニワカヒメ(刺国若比売)は悲しみます。
そして、救いを求めて高天原に向かい、
そこでカムムスヒ(神産巣日神)などの助けがあり、オオナムヂは生き返ることができます。
2度目の殺害
オオナムヂが復活したことを聞きつけた八十神たちは、2度目の殺害計画を立てます。
今度は、大きな木を切り倒し、楔を使って大きな割れ目を作りました。
その割れ目の中にオオナムヂが入った時に、楔を引き抜いて殺しました。
母親のサシクニワカヒメは再び死んでしまった息子を探して、
木の割れ目にいるオオナムヂを取り出して生き返らせました。
兄たちから逃げるオオクニヌシ
二度あることは三度あることを危惧したサシクニワカヒメは、
オオナムヂの危険を案じて
「ここにいては、八十神たちに滅ぼされてしまう」
と言って、
木国(「紀伊国」のこと。現在の和歌山県と三重県の一部地域)の
オオヤビコ(大屋毘古神)の助けを借りるように彼の所に向かわせました。
なんとかオオヤビコのもとに到着したオオナムヂでしたが、
八十神たちがすぐに追いかけて来ました。
そして、八十神たちはオオヤビコにオオナムヂを引き渡すように言ってきました。
しかし、オオヤビコはオオナムヂに
彼の父スサノヲがいる根之堅洲国に行くよう言い、その場から逃しました。
まとめ
続きが気になりますが、この続きは次回にお話します。
今回は
- オオクニヌシは八上比賣と結婚するのか?
- 八十神に追われるオオクニヌシ
について、お話してきました。
八上比賣と結婚することになったオオクニヌシでしたが、
それが故に兄たちが嫉妬してしまい、
2度も殺されてしまいました。
ただ、優しさから白兎を助け、八上比賣から好意を向けられただけなのに…
嫉妬心はいつの時代も凶器になる程怖いですね。
果たしてこの後、オオクニヌシは無事に生き延びることができるのか。
そして、いつ「オオナムヂ」から「オオクニヌシ」という名前に変わるのか。
まだまだオオクニヌシの物語は続きます。
どうぞお楽しみに!
今回の内容が、みなさんのお役に少しでも立てていれば幸いです!
「参考になった」「ためになった」という人は
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