前回、スサノヲがアマテラスを怒らせてしまったがために
世界から太陽の光がなくなり、神様たちも困ってしまいました。
神様たちのチームワークもあり、無事アマテラスが再び顔を出してくれたので
暗闇の世界に光は取り戻されました。
しかし、世界を混乱させた原因であるスサノヲは、
その罰として高天原から追放されてしまうことになりました。
詳しくは是非こちらをご覧ください!
問題児としてのレッテルを貼られてしまったスサノヲですが、
果たしてその汚名を返上することができるのでしょうか?
今回は、
- 出雲でのスサノヲの活躍
- スサノヲはヤマタノオロチをどうやって倒したのか?
について記述されている『古事記』の中の「ヤマタノオロチ退治」のお話についてお話していきます!
高天原を追放されたスサノヲ
高天原を追放されたスサノヲは、
当初の目的でもあった母イザナミに会うために黄泉国へ向かいます。
黄泉国の入り口がある出雲(現在の島根県)に到着したスサノヲは、
そこで泣いている家族に出会います。
父はアシナヅチ(足名椎命)、母はテナヅチ(手名椎命)で、
そしてその娘であるクシナダヒメ(櫛名田比売)です。
※アシナヅチとテナヅチは、山の神様である大山津見神(イザナギとイザナミの子)の子どもだと言われています
家族がなぜ泣いているのか気になったスサノヲは声をかけました。
どうして泣いている?
すると、泣いている理由を説明してくれました。
私たち夫婦には元々8人の娘がいました。
ところが、ヤマタノオロチという怪物が毎年やってきて
娘たちを1人ずつ食べてしまったのです。
最後の娘がこのクシナダヒメです。
しかし、そろそろヤマタノオロチが来る時期。
このクシナダヒメももうすぐ食べられてしまうかと思うと悲しくて
泣いていたのです。
スサノヲのヤマタノオロチ退治
クシナダヒメの美しさに一目惚れしたスサノヲは
ヤマタノオロチを退治したら、クシナダヒメと結婚させてもらう
と言って、ヤマタノオロチ討伐を買って出ました。
そして、どのようにヤマタノオロチを倒すか計画を練りました。
スサノヲは、アシナヅチとテナヅチに7回絞った強いお酒(八塩折之酒)を造るように言います。
※「7回絞る」とは…
原料を醸造させた後のものを絞って粕を取り除きます。この工程が1回の絞りです。
そして1回目に出来上がったお酒に、さらに原料を加えて醸造し、また粕を取り除きます。
この工程を7回繰り返してできたお酒を「7回絞る」お酒と考えられています。
ちなみに、この八塩折之酒は日本で最初に造られた酒とも言われています。
そしてスサノヲは、ヤマタノオロチが向かってくる所に8つの門を作り、
アシナヅチとテナヅチが造った八塩折之酒を入れた桶を
それぞれの門に置いておくように言いました。
準備が完了して、ヤマタノオロチがやって来るのを待っていると、
スサノヲの作戦通り、ヤマタノオロチは8つの頭を
それぞれの門に置かれた酒桶に突っ込んでお酒を飲み出した。
お酒に酔ったヤマタノオロチは眠ってしまいました。
その様子を見ていたスサノヲは、十拳剣(拳10個分の長さの剣)でヤマタノオロチを切り刻みました。
そして、ヤマタノオロチのしっぽを切った際に剣の刃が欠けてしまうのですが、
そのしっぽから素晴らしい剣が出てきます。
この時出て来た剣は「草那藝之大刀(『日本書紀』では「草薙剣」)という剣で、
後に、多くの人も聞いたことがある「三種の神器」の一つ「天叢雲剣」と呼ばれるようになります。
スサノヲは、この草那藝之大刀が立派な剣だったので、アマテラスに献上しています。
スサノヲとクシナダヒメの結婚
ヤマタノオロチを無事退治したスサノヲは、
一目惚れしたクシナダヒメと結婚します。
そしてスサノヲとクシナダヒメは、
出雲の根之堅洲国にある須賀の地(現在の島根県安来市や雲南市辺りと言われています)で幸せに暮らしました。
まとめ
今回は
- 出雲でのスサノヲの活躍
- スサノヲはヤマタノオロチをどうやって倒したのか?
という『古事記』の「ヤマタノオロチ退治」のお話を取り上げました!
前回までは問題児としてのレッテルを貼られてしまっていたスサノヲでしたが、
今回は、ヤマタノオロチという大蛇を倒す大活躍で英雄になりましたね!
そして、クシナダヒメと結婚もできました。
この後の『古事記』は、
スサノヲとクシナダヒメが暮らすことになった「出雲」が舞台に進んでいきます。
次回もどうぞお楽しみに!
今回の内容が、みなさんのお役に少しでも立てていれば幸いです!
「参考になった」「ためになった」という人は
ぜひ周りの友だち、家族などに教えてあげてください!
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