古事記日本文化-Japanese Culture-

【面白い古事記⑦】天岩戸神話|アマテラスとスサノヲの姉弟喧嘩

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前回ついに、有名な
アマテラス(天照大御神あまてらすおおみかみ
ツクヨミ(月読命つくよみのみこと
スサノヲ(建速須佐之男命たけはやすさのをのみこと
三貴子みはしらのうずのみこが生まれました。

そしてイザナギは、
アマテラスには、高天原たかまがはら(天上の世界)
ツクヨミには、夜の世界
スサノヲには、海の上
を治めることを命じました。

詳しくは是非こちらをご覧ください!

このまま三貴子が世界を統治し、うまくいくかと思いきや…
神様の世界で混乱が起きます。

果たしてこの後何が起きてしまうのか?

今回は、

  • アマテラスはどうして天岩戸に籠ってしまったのか?
  • 閉じ籠ってしまったアマテラスをどうやって外に出したのか?

という『古事記』の中の「天岩戸」の神話についてお話していきます!

母親に会いたくなったスサノヲ

父イザナギに、海上を統治するように命じられていたスサノヲですが、

海の上に独りぼっちで寂しい。

死んだ母イザナミに会いに黄泉国へ行きたい‼︎

と、駄々をこねて暴れて海は荒れ、天地に甚大な被害が出ました。

怒ったイザナギは

この国から出て行け!

と、スサノヲを追放します。

追放を命じられたスサノヲは、
黄泉国に行く前に姉アマテラスに挨拶をしておこうと思い
高天原にドカドカと登って行きました。

その足音を聞いたアマテラスは、
最初スサノヲが高天原を奪い取りに侵攻して来たのだと思います。

その疑いを晴らすためにスサノヲはアマテラスに
誓約うけいをしよう」と提案します。

誓約うけいとは、占いのことであり、身の潔白を証明するために行われていました。

この提案にアマテラスも応じ、姉弟は誓約うけいを行います。

まず、アマテラスがスサノヲの持っている十拳剣とつかのつるぎ(拳10個分の長さの剣)を噛み砕き、息を吐き出します。
すると、そこから三柱の女神が生まれます。

宗像三女神(スサノヲの子)

イチキシマヒメ市寸島比売命いちきしまひめのみこと

タギツヒメ多岐都比売命たぎつひめのみこと

タキリビメ多紀理毘売命たきりびめのみこと

この三姉妹の女神を宗像三女神むなかたさんじょしんと言います。
宗像三女神は、海上交通の神様であり、
玄界灘げんかいなだ宗像大社むなかたたいしゃ辺津宮へつぐう中津宮なかつぐう沖津宮おきつぐう、に祀られています。

宗像大社

次に、スサノヲがアマテラスの勾玉まがたまを噛み砕き、息を吐き出します。
すると、そこから五柱の男神が生まれます。

アマテラスの子

アメノオシホミミ天之忍穂耳命あめのおしほみみのみこと

アメノホヒ天之菩卑能命あめのほひのみこと

アマツヒコネ天津日子根命あまつひこねのみこと

イクツヒコネ活津日子根命いくつひこねのみこと

クマノクスビ熊野久須毘命くまのくすびのみこと

この占いの結果(スサノヲの勝利)により、
スサノヲの身の潔白を信じることにしたアマテラスは、
しばらくの間、スサノヲが高天原にいることを認めました。

スサノヲに怒るアマテラス

高天原にいることを許されたスサノヲですが、
大はしゃぎして、田んぼのあぜを壊したり、
御殿に糞を撒き散らしたりと、暴れ回る始末でした。

当初はかばっていたアマテラスですが、
スサノヲが皮をいだ馬を機織はたおり小屋に投げ入れた際に、
それに驚いた機織娘の1人が道具に刺さって死んでしまいました。

そのことでついに堪忍袋の緒が切れてしまったアマテラスは
天岩戸あまのいわとに閉じ籠ってしまいました。

太陽神であるアマテラスが閉じ籠ってしまったので、
高天原も葦原中国あしはらのなかつくに(地上の世界)も暗闇に包まれて真っ暗になってしまいました。

アマテラス呼び戻し大計画

困ってしまった高天原の八百万の神々は集まって相談を始めます。

そして、知恵の神様である思金神おもいのかねのかみがある計画を提案します。
それは、天岩戸の外で賑やかに騒いで、アマテラスの気を引いて出て来てもらうというものでした。

神々はさまざまな儀式を行ったり、
常世とこよ長鳴鳥ながなきどりにわとりのこと)を集めて鳴かせたりすることにしました。

まず、鍛治の神様である天津麻羅あまつまらと金属加工の神様である伊斯許理度売命いしこりどめのみこと
八咫鏡やたのかがみ(三種の神器の一つ)を作ってもらいました。

次に、玉祖命たまのおやのみこと八尺瓊勾玉やさかにのまがたまを作ってもらいます。

そして、祝詞のりとの神様である天児屋命あめのこやねのみこと神事しんじの神様である布刀玉命ふとだまのみことには、儀式を進めてもらいます。
サカキ(神事で使用する植物)の枝に
八尺瓊勾玉やさかにのまがたま八咫鏡やたのかがみ・布をかけたものを布刀玉命ふとだまのみことが持ち、
天児屋命あめのこやねのみことが祝詞を唱えます。

八尺瓊勾玉と八咫鏡がかかったサカキ

そして、力持ちの神様である天手力男神あめのたぢからおのかみがアマテラスが籠っている岩戸の脇に隠れて立ちました。

これで、思金神おもいのかねのかみの計画の準備が整いました。

芸能の神様である天宇受賣命あめのうずめのみことが岩戸の前で踊り始めます。

アメノウズメ

すると、高天原の神様たちが賑やかに笑い始めました。

暗闇のはずなのに、笑い声が聞こえてきたアマテラスは気になって
天岩戸を少し開き、こう言いました。
「なんで、そんなに楽しそうにみんな笑っているの?」

それに対して天宇受賣命あめのうずめのみこと
「あなたよりとうとい神が現れたから、みんな喜んでいるんですよ」と言います。

そこで、天児屋命あめのこやねのみこと布刀玉命ふとだまのみことは、アマテラスに八咫鏡やたのかがみを見せました。
鏡に何者かが写って見えたアマテラスは、本当は自分の姿なのに、それがとうとい神だと勘違いします。
そして、その姿をもっとよく見ようと岩戸をさらに開けようとします。

その時、岩戸の脇に隠れていた天手力男神あめのたぢからおのかみが岩戸をこじ開けて、
アマテラスの手を取って、岩戸の外に引きずり出すことに成功しました。

すぐに布刀玉命ふとだまのみこと注連縄しめなわを岩戸の入口に張り
「もうこの中には入らないでください」と言いました。

こうして世界(高天原・葦原中国)に再び太陽の光が戻り、明るくなりました。

そして、高天原の神様たちの相談の末
スサノヲはこの混乱の罪を償うために、
ひげと爪を切られ、高天原から追放されることになりました。

まとめ

今回は

  • アマテラスはどうして天岩戸に籠ってしまったのか?
  • 閉じ籠ってしまったアマテラスをどうやって外に出したのか?

という『古事記』の「天岩戸神話」についてお話してきました!

察しの良い方はわかったかもしれませんが、
この物語は日食のことを表しているのではないかと考えられています。

今回の内容が、みなさんのお役に少しでも立てていれば幸いです!
「参考になった」「ためになった」という人は
ぜひ周りの友だち、家族などに教えてあげてください!

また来てね!

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『古事記』のストーリーはもちろん、各神様についても詳しく解説してくれています!

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