みなさんは「エゴグラム」を受けたことがありますか?
エゴグラムは、心理療法として使われることはもちろん、
ビジネスの場面でもよく使われています。
下の図のような検査結果を見たけど
「いまいちよくわからない」と思った方もいるのではないいでしょうか。
カウンセリングなどで体験した方は、
カウンセラーやお医者さんから詳細に説明してもらえると思います。
ただ最近では、インターネット上に無料のエゴグラムを体験できるサイト等が増えてきました。
せっかくなので、解説文を読むだけでなく、
自分自身でグラフの形から結果を読み解けるようになると
より自分や友人の特徴を理解できます。
そこで今回は、
- エゴグラムとは?
- エゴグラムのグラフのそれぞれの特徴は?
についてお話していきます!
エゴグラムとは?
エゴグラムとは、心理療法の一つである交流分析の理論を基に作られた
その人の対人関係の癖や性格の特徴を把握するために使われる心理検査です。
※交流分析について詳しく知りたい方は、以下のページでより詳細に説明しています。
エゴグラムに回答することで
みなさん自身の自我状態(CP・NP・A・FC・AC)のどれが高く、どれが低いのかを把握できます。
つまり、自分の性格や対人コミュニケーションの癖・傾向をつかむために、エゴグラムを活用します。
ここでいう5つの自我状態については、こちら2つの記事で詳しく説明しています。
先に以上の記事をご覧いただくと、
ここからの内容がより一層わかりやすくなります!
では、次に主なグラフのパターンは何があるのか見ていきましょう。
主なグラフのパターン
主なグラフの形には以下のパターンがあります。
- 台形型
- N型
- 逆N型
- M型
- W型
- U型
- 平坦型
台形型(自他肯定タイプ)
台形型は、「NP・A・FCが高い」という特徴があります。
自分のことも、他人のことも肯定するタイプです。
NPが高いので、他人への思いやりがあります。
加えてAも高いので、自分勝手ではなく、客観的に物事を判断しつつ行動ができます。
FCも高いため、
自分にとって楽しいこと好きなことにもしっかり取り組むことができます。
その一方で、Aも高いので、
羽目を外しすぎることもなく、節度を保った行動ができます。
つまり、他人はもちろん、自分のことに対しても優しく、
おおらかな人柄を持ち合わせています。
ただ、自分と身内のこと以外にはあまり興味を示しません。
それゆえ、リーダーに向いていないという側面もあります。
N型(自己犠牲タイプ)
N型は、「CPが低い」「NP・ACが高い」という特徴があります。
(※正確には、N型は3種類あります)
自分よりも他人を優先し、他人との関係性を重視するタイプです。
誰に対しても優しく、思いやりがあるため、
困っている人・悩んでいる人の話を聞くのが得意です。
良い人間関係を築くことができているタイプと言えます。
ただ、周りの人は居心地がいいですが、
一方で、本人はストレスを溜め込みやすいことも特徴です。
理由としては、ACの特徴でもある「自分を抑え込む傾向の強さ」があるためです。
自分のやりたいこと・感じていることを抑圧し、周囲に合わせる傾向があります。
つまり、いわゆる「イエスマン」のようなタイプで、
知らぬ間にストレスを抱えている人かもしれません。
逆N型(自己主張タイプ)
逆N型は、「CPが高い」「NP・ACが低い」という特徴があります。
(※正確には、逆N型は3種類あります)
行動力があり、好きなことには夢中になる、マイペースタイプです。
NP・ACがあまりに低い場合は、
思いやりが乏しく、⾃⼰中⼼的であるがゆえに、
周囲との摩擦が起きやすくなる可能性があります。
論理的に物事を進めるのが得意で、
自分にも他人にも厳しく行動力もあるので、
仕事の面では非常に有能なタイプです。
ただ、NPの低さゆえに、周りへの気遣いは苦手なので、
人の意見を聞いたり取り入れるのはあまり得意ではありません。
人と関わることが多い仕事・人の支援に関わる仕事は向いていないと言えます。
M型(人気者タイプ)
M型は、「NP・FCが高い」「CP・A・ACが低い」という特徴があります。
NPとFCの高さから分かる通り、
人当たりが良く誰からも好かれる人気者タイプです。
台形型と似ており、自分にも他人にも優しい自他肯定的で、
周りの人は、M型の人と一緒にいることは楽であり、
本人は、好きなことに没頭するので魅力的な印象を与えます。
嫌なことは嫌と伝えることもできる一方で、
共感する能力も高いため、他人の話を聞くのも得意です。
FCが高いため、わがままな側面も垣間見えますが、
その振る舞いすらも愛されるタイプです。
ただ、Aがあまりにも低い場合
夢見がちであったり、衝動的になってしまったりすることがあり、羽目を外すことがあります。
また、CP・ACも共に低さが目立つ場合は
相手が求めていない親切を押し付けてしまい、おせっかいになりがちです。
つまり、人と関わる仕事は全般的に得意で向いているタイプです。
例えば、看護師・保育士・教師・デザイン関係・芸能関係などの仕事が向いていると言われています。
W型(自虐タイプ)
W型は、「CP・A・ACが高い」「NP・FCが低い」という特徴があります。
CPとACの高さが特徴的で、
CPの高さゆえに、自分にも他人にも厳しいです。
「こうしてほしい」「こうすべき」という想いは人一倍強い。
一方で、ACが高いために、思っていることを口には出せません。
その結果、怒り・イライラを溜め込み、他人も自分も否定的に捉えがちです。
Aの特徴もあるため、自分や他人を客観的に判断することができるので、
欠点などが目についてしまうので、人知れず苦しんでいる可能性があります。
ただ裏を返すと、CPとAが高いからこそ
感情に左右されず、決めたことは淡々とこなすことができます。
M型が苦手とする、「決めたことをやり通す」ことに関しては
W型は非常に得意と言えます。
人によりますが、
ストレス・疲れを溜め込みやすく、うつになりやすいタイプです。
このW型の人は、休息や余暇の必要がある状況と言われることもあります。
U型(自他否定タイプ)
U型は、「CP・ACが高い」「NP・A・FCが同程度に低い」という特徴があります。
(※正確には、U型は3種類ありますが、今回はそのうち一つを取り上げています)
責任感が強く行動力があるので、自分が決めたことをしっかり実行できるタイプです。
ただ、CPとACが高いので、
W型と似て、言いたいことは人一倍多いのに、それを抑え込んでしまう傾向が強いです。
NP・A・FCがあまりにも低いと、
生きづらさやストレスが大きいことを示しています。
つまり、ストレスを溜め込んでしまうタイプです。
自分にも他人にも厳しく、他人のことも自分のことも認めるのが苦手といえます。
平坦型(バランスタイプ)
平坦型は、すべての自我状態が同程度のタイプです。
全体的に⾼い場合は、
- 非常にエネルギーがある
- 頑張りすぎている
- 過労の可能性も
全体的に低い場合は、
- エネルギーがない
- 物静かで控え目
- 滅多に怒らない
- エネルギー不⾜で閉鎖的になっており、⾃分の状態が把握できていない可能性も
まとめ
今回は、
- エゴグラムとは?
- グラフの形のそれぞれの特徴は?
についてお話してきました。
あくまで一つの心理検査の結果でしかなく、
また、エゴグラムは時間や状況の変化によって、結果が変わることがあります。
結果に一喜一憂することなく、
現時点での自分自身の状態の把握のヒントに活用してもらえればと思います。
実は、今回挙げたもの以外にも、まだまだ色々な形があります。
今後、どんどん追加で説明していく予定ですので、どうぞお楽しみ!
今回の内容が、みなさんのお役に少しでも立てていれば幸いです!
「参考になった」「ためになった」という人は、
ぜひ周りの友だち、家族などに教えてあげてください!
《オススメの心理学の本》
イラストも可愛くて、例え話も使いながら説明してくれているので、とてもわかりやすいです!
心理学者ごとに用語の解説をしてくれている点も個人的には嬉しい!
日常的に疑問に感じた出来事について、
心理学の視点からイラストを用いてわかりやすく説明してくれています。
心理学に触れたことのない人も楽しく読める本です!
コメント